妊活・妊娠・出産・子育て

<体験談>子宮筋腫と腺筋症で岡山UAEセンターで手術を受けるまでの経緯

手術

私は2014年11月29日に子宮筋腫と腺筋症の治療のため子宮動脈塞栓術(UAE)という手術を受けました。
芸能人も同じ手術を受けたとニュースになったこともありましたが、私が受けた頃はまだそこまで有名ではなかったように思います。
しかしその手術の存在を教えてくれた医師により、お腹を切ることなく手術を終えることができました。

今回は備忘録も兼ねて、その経緯を記録します。

この話には4つの病院と4人の医師が登場します。

  • 最初に子宮筋腫を見つけてくれたのはAクリニックのA先生
  • 画像診断専門なのはBクリニックのB先生
  • セカンドオピニオンは市立病院のC先生
  • UAE手術を行ってくれたのは岡山UAEセンターのD先生

子宮動脈塞栓術(UAE)とは

まず初めに、子宮動脈塞栓術(UAE)という治療法についてご説明します。
これは子宮筋腫腺筋症という病気に対して行われる手術です。
病変部へ繋がる動脈に人工的な詰め物をします。
そして
血流を遮断
することにより死滅させ、それ以上悪化させないという手術です。
栄養を与えなければ、病変部の組織は死んでしまうのです。
子宮を摘出したり、筋腫や腺筋症がある部分だけを切り取るような手術とは違い、病変部(筋腫など)はそのまま体内に残ります
しかし病変部の組織は死んでしまった状態になるので、それ以上大きくなることはありません。
むしろ手術前よりはしぼんで小さくなることがほとんどです。
また足の付け根の動脈からカテーテルを入れて行うので、お腹に一切傷が入りません

子宮筋腫発見からUAEに出会うまで

子宮筋腫が見つかった経緯

病院

2013年10月に受けた子宮がん検診で、子宮筋腫が見つかりました。
その時のA先生の言葉は今でも覚えています。

「がん検診の検査結果は後日郵送します。
それとは別の話だけど、あなた子宮筋腫がありますよ。
今の大きさだとすぐ治療しなければいけないってわけではないから、とりあえず経過観察していきましょう。」

実はその前年の検診の時も、検査結果は「要再検査」でした。
だけど当時は仕事も忙しかったし、まさか自分が病気だなんて思わなかし、恐怖もあったので、結局受診しませんでした。
その時の「要再検査」が子宮筋腫で書かれたものなのかは今となっては分かりませんが、翌年の検診でがんは陰性だったので、子宮筋腫の可能性が高かったのかなと思います。

子宮筋腫は経過観察ということで、半年ごとに大きさをみてもらうことになりました。

経過観察から手術に

診察

半年後の2014年4月、その日の診察では「前よりちょっと大きくなってるね。でもまだ大丈夫でしょう。また半年後に来てください」と言われました。

そして2014年10月、A先生が「チェックする度に大きくなってるね。もうこれは手術しましょう。」と言いました。
前回の診察時に嫌な予感はしていたものの、やはり手術という言葉は精神的に重くのしかかります。
生理痛はあったもののそこまで重くなかったし、自覚症状があまりなかったので、手術しなければならないという危機感は全くありませんでした。
「手術って…」と言葉が続かない私に、A先生は「おそらく開腹手術になります」と言いました。
一気に恐怖が押し寄せました。自分のお腹を切り開くと想像しただけで血の気が引きそうでした。
A先生は「とりあえずちゃんと検査したいので、紹介する病院でMRIを撮ってきてください」と言いました。
私が通っていたAクリニックにはMRIの機械がなかったので、他の病院で撮ってくる必要があったのです。
そしてそこで知り合ったB先生が、私の人生を大きく変えてくれました。

画像診断専門医の意見

MRI

数日後、紹介されたBクリニックへ行きました。
そこは画像診断専門のクリニックでした。

画像診断専門クリニックとは

MRIやCTの検査を専門にしているクリニックです。
受診には以下の2パターンがあります。

  • 私のように、MRIやCT検査ができない病院からの紹介で受診する場合
  • 個人で直接予約をして受診する場合
    ・健康診断だけでは不安
    ・体の調子が悪く、画像診断を依頼したい
    ・人間ドッグを受けたい

最初に診察室でB先生の説明を聞きました。
検査の流れの説明の後、B先生はこのように言いました。
「あなたはAクリニックからの依頼で来られているので、ここでは画像を撮るだけです。
診察・診断はしません。
画像を撮った後、データができたらCD-ROMに焼いてお渡しします。
それをA先生に診てもらってください。
診断や今後の治療方針は、A先生から聞いてください。」

そして画像を撮り終わり、お会計をしていると、B先生が奥から出てきて私に話しかけました。
「君、治療する病院はしっかり考えた方がいい。
君の場合、県内での手術はおすすめしない。」

さすがにこれには焦りました。
診察・診断は一切しないはずのB先生が、そのルールを破って私に伝えてくれている。
それが私に、ただならぬ空気を感じさせました。

そしてこう続けました。
「どちらにしても、今日の画像データを持ってAクリニックには戻ってもらわないといけない。
そこで治療方針を聞いて、もし不安があるなら、いつでも相談に来なさい」

私は今すぐB先生の見解を聞きたい衝動にかられましたが、ルール上、今言うことはできないのかなと感じ、「はい、分かりました」と言いました。
でも心の中では、後日絶対相談に来ようと決めていました。

セカンドオピニオン

診察日

MRIを撮りに行くだけのはずが、B先生から思いがけないことを言われたので、私はかなり動揺していました。
私の病状はそんなに深刻なのかと不安でした。

とりあえずMRIのデータを持って、Aクリニックへ。
A先生はデータを見ながら「やっぱり手術ね。開腹になると思うけど、一応セカンドオピニオン行く?」と言ってくれました。
A先生が市立病院を紹介してくれると言うのです。
もちろん二つ返事で「行きます!」と答えました。
いろんな先生の意見を聞いてみたいと思ったのです。
B先生に言われたことは、A先生にはなんとなく言えませんでした。

ただ、A先生からセカンドオピニオンを提案してくれるとは思わなかったのでとても助かりました。
今思うと、どちらにしてもAクリニックでは手術できないので、どこかの病院を紹介しなければならなかっただけかなとも思いますが^^;

後日、市立病院へ行きました。
C先生からは「手術は内視鏡でやりましょう。でもあなたの筋腫は子宮の裏側にあるんです。そのため、内視鏡で難しければ、手術中に開腹に切り替える可能性があります。
その場合は開腹した後、子宮を持ち上げて、裏側の筋腫を切り取ることになります。」

この言葉の中に、私を恐怖においやる単語がたくさん出てきました。
そして、やはり開腹になる可能性があるのかと落胆しました。

この時説明された、内視鏡手術と開腹手術の違い

内視鏡手術 開腹手術
傷跡 おへその周りに、3cmくらいの穴を3ヶ所 10cm前後
入院日数 7日前後 14日前後
術後の痛み 弱い 強い

B先生からの提案

診察

後日B先生に相談に行きました。
ここまでの経緯を説明すると「あなたの場合、その手術だと妊娠できなくなるリスクがあります。
筋腫の場所が悪いんです。妊娠にかなり影響する場所です。
でも県内だとその手術法しかありません。」
この時点で私の頭は真っ白になっています。
そんな私にこう続けました。

「でも県外に行けば別の手術法があります。
県内にその手術をする医師はいません。
なぜなら保険適応外だからです。
それでも構わないなら他県の病院を紹介してあげるから、話だけでも聞きに行ってみますか?」

妊娠できなくなるかもしれないなんて、Aクリニックでも市立病院でも一言も言われませんでした。
分かっていても言わなかったのか、分かってすらいなかったのか。

子宮筋腫の手術について

  • 自覚症状があり、QOL(生活の質)が著しく低下する場合
    患者が手術を希望すれば手術できます。
  • 自覚症状がない場合
    基本的に手術はしません。
  • 将来妊娠・出産を希望する場合
    無症状なら治療は不要です。
    ただし比較的大きな筋腫で、子宮内腔の変形が大きい場合には手術を行います。
    妊娠時に筋腫が変性する可能性があり、それにより流産・早産につながる可能性があるからです。

私の場合、自覚症状はありませんでした。
生理痛はあったものの、鎮痛剤なしで過ごせる程度だったのです。
それでもA先生とC先生が手術を勧めたということは、妊娠に関わるということが分かっていたからだと思っています。
このままにしておくより手術した方が妊娠の影響が少なくなるという見解だったかもしれませんが、患者の立場としてはそこまで説明してほしかったです。

私は藁にもすがる思いで「行きます」と言いました。

ちなみにこの時相談料として10,000円かかりました。

腺筋症も見つかる

レントゲン

B先生が紹介してくれた岡山UAEセンターは、UAEを行う専門の病院でした。
初めてそこに行った時の印象は、「こじんまりしてるなぁ」という感じ。
病院の中はアットホームな落ち着ける雰囲気でした。

ここで改めて検査を受けると、D先生に「筋腫もあるけど、腺筋症もありますね。」と言われました。

子宮腺筋症はこの時初めて知った病気でした。

子宮腺筋症とは

子宮腺筋症は、子宮の筋肉層の中に、子宮内膜に似た組織ができてしまう病気です。そしてそれが子宮筋層の中で増殖し、子宮を変形させ、早産や流産の原因になることがあります。
※腺筋症が必ずしも不妊の原因になるわけではありません。

子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症は合併して起こることがあります。

手術をするなら、基本的には子宮全摘出
妊娠を希望するなら、腺筋症の部分だけ切り取る方法もありますが、子宮破裂や癒着胎盤などのリスクも高まります。

腺筋症があっても不妊にならないかもしれないし、そのせいで妊娠に影響が出るかもしれない。
手術で切り取るのもリスクがある。
目の前が真っ暗になる感じがしました。

しかしD先生が、「UAEならそんなリスクはなくなりますよ」と言いました。
「UAEは、筋腫や腺筋症の部分に繋がっている血管を塞いで栄養を与えないようにする手術です。足の付け根の血管から管を入れるので、お腹を切る必要もないんですよ。」と。

私にとってようやく希望が見えた瞬間でした。

家に帰り、すぐ家族に説明しました。
すると家族も安心してくれて、この手術に臨むことが決まりました。

当時を振り返って

私が当時UAEという治療法に出会えたのは、わざわざ声をかけてくれたB先生のおかげです。
本当にラッキーだったと思っています。
しかし筋腫を見つけてくれ、手術の必要性を教えてくれたA先生、一般的な治療法を教えてくれたC先生にも感謝しています。
実際に手術をしてくれたD先生は、こんなに親切で、親身になってくれて、頼りになるお医者さんがいるんだなと心から思える先生でした。

どんな医師に出会えるかはだと思います。
しかし現代ではインターネットを使って様々な治療法を知るチャンスがあります。
インターネットには様々な情報が氾濫していて、調べれば調べる程、混乱してしまうこともあります。
しかし上手に情報収集して、信頼できる医師に相談していただきたいと思います。










[contact-form-7 id=”391″ title=”無題”]

ABOUT ME
mizuki
シングルマザーのブログです。 フルタイムで働きながら2歳の息子を育てています。 両親には全面的に協力してもらっています。 好奇心旺盛でいろんな物を試してみるのが好きなので、試した感想、調べた感想、やってみた感想、読んでみた感想等、たくさんのことをどんどん書き溜めていきたいと思っています。 よろしくお願いします!